教育現場でありがちな著作権課題2

 教育現場で見られる著作権に関する課題が考えられる事例をご紹介して、教員のみなさんに著作権への意識を高めていただければと思います。
 ※すべての例において著作権者等の許諾は受けていないものとします。

教員との間の日誌に、生徒がお気に入りのキャラクターを描いていて、それにコメントを書いた。

模写については、著作権法上では「複製権」を侵害するかどうかを考える必要があります。私的利用の範囲内での模写については複製権の侵害にはなりません。生徒が自分のノートに模写することはオッケーです。ただし、その模写したものをSNSに掲載すると私的利用の範囲を逸脱し、「複製権」侵害の可能性がありますので要注意です。
 ※例えば、そのキャラクターの模写が上手で、学級通信などに掲載してしまうと、学校での利用による著作権制限外となり、複写権侵害になる可能性がありますので気をつけてください。

体育祭の色別の立て看板を、生徒が授業時間に作成した。看板にはちょっと似ていないが有名なキャラクターが描かれていた。

授業では著作権は一定制限を受けます。授業でキャラクターを描くことは著作権の「複製権」は制限され、著作権侵害しないと考えられます。このケースは「模写」になりますが、模写は似ているか似ていないかは問題ではありません。そのキャラクターと分かればそれは「模写」になります。このケースは授業内で行い、入場無料の体育祭に掲げるので著作権は侵害しないと考えられます。

体育祭の色別の立て看板を、生徒が授業時間に作成した。看板には有名な善のキャラクターを悪役にしたキャラクターとして描いた。

これはアウトです。教育現場でキャラクターを描くことは一定認められますが、そのキャラクターイメージを意図的に改変することは著作権を侵害します。このケースはキャラクターの作者がもつ「著作者人格権」の中の「同一性保持権」を侵害するものと考えられます。キャラクターのイメージを変えないようにしてください。
なお、著作者人格権は著作者がお亡くなりになれば消滅するのですが、著作者が望まないような改変の場合は、ご遺族には差止め請求が可能とされています。

運動会の競技中のBGMとして、購入したCDの音楽を流した。

CDなどの音楽には「演奏権」という著作権があります。非営利・無償・無報酬の場で流すことはこの演奏権を侵害しません。

運動会の競技の様子を、個人で映像として撮影し、みんなに見てもらおうと動画としてSNSにあげた。

これはアウトです。先ほどのBGMも映像に含まれていれば、CD製作者の「公衆送信権」を侵害するおそれがあります。個人で映像を楽しむのは大丈夫ですが、SNSにあげるのはアウトです。
※運動会の様子自体は著作権で保護される著作物にはなりません。BGMがなければ著作権法上は問題ない可能性がありますが、いわゆる肖像権の問題が生じるのでいずれにしてもSNSにあげない方がよいでしょう。

 具体的な場面で「大丈夫だろうか」と思われたときは、メール(問い合わせフォーム)で結構ですのでお気軽にお問い合わせください。分かる範囲で無料でお答えさせていただきます。