教育現場でありがちな著作権課題

 教育現場で「これって著作権法上、大丈夫なのだろうか?」とちょっと不安に思いながら、教育実践する場面があるのではないでしょうか。著作権法上の問題があるかないか、具体的な場面を想定してQ&A方式でお伝えします。
 ※すべての例において著作権者等の許諾は受けていないものとします

授業をする教員が、2クラスの生徒80名を集めて授業に関わる市販のDVDを見せた

市販のDVDを多数に見せるのは問題がありそうですが……これはオッケーです。無償・無報酬であれば、著作権の1つ「上映権」を侵害しません。

授業用のプリントに使用するため、書籍に掲載の画像をスキャンして掲載した。

これも大丈夫です。著作権法上、教育現場には特例措置があり、授業で使用するために教員や生徒が画像を使うことはオッケーとなっています。つまり著作権の1つ「複製権」を侵害していません。ただし、あくまで必要な限度で認められているのでここは注意が必要です。
 ※この場合だと、生徒数分のみなら適法ということになります。

授業で使用するために、ドリル教材をコピーして生徒に配布した。

これはアウト。もともと教育で使用することが想定されているものは、教育現場の特例の対象外です。使いたいなら生徒数だけドリル教材を購入しましょう。
 ※このケース、教育現場でまま見られるのではないでしょうか。絶対ダメです!

学級通信に掲載するために、書籍に掲載の画像を切り取って掲載した。

これもアウト。教育現場の特例は、授業の場面で認められています。つまり授業者と授業を受ける生徒の授業場面で認められるものです。学級通信は保護者等を対象にしていて授業ではないので特例はありません。イラストなどの画像は、著作権フリーの素材などを探して使用するなど工夫しましょう。

家庭学習できるように、教材等をネット送信できるようにしている。

これは△。基本的には、ネット上でアクセスできるようにするには教材等の著作権者の許諾が必要です。これは著作権の1つ「公衆送信権」を侵害するためです。ですので許諾をとれば可能です。しかし実際には許諾を得るのは煩雑で大変です。そこで、教育現場でそういったネットワークを介した授業をしやすいように「授業目的公衆送信補償金制度」が作られています。これは学校を管轄する教育委員会が予め補償金を支払うことで、学校がオンライン授業できるようにしているしくみです。簡単に言えば、教育委員会が補償金を支払うことで許諾を受けたことにするしくみです。高知県内でも複数の市町村教育委員会が申請済となっていますので、該当する市町村の学校ではネットで送信可能になっています。しかしすべての教育委員会ではないようです。ご自身の学校が属する教育委員会が申請しているかは確認してみてください。
 ※この制度は、あくまで生徒の授業のためのクローズドのサイトにおける利用に適用されます。ホームページなどへの掲載は適用外です。

吹奏楽部の演奏会を開くために、OBをゲストに呼んだ。OBには交通費を支払ったが、入場は無料だった。

入場無料ですので、問題ありません……と言いたいですが、ゲストに交通費であれ支出があるなら、演奏する曲の著作権者の許諾が必要になります。あくまで無料・「無償」でないと著作権法上の問題が生じますので注意が必要です。交通費であっても費用を支出してしまうと「有償」となり著作権法上の許諾が必要となります。このケース、交通費を支払わずOBがボランティア参加ならオッケーになります。

 いかがでしょうか。他にも「こんな場面はどうですか?」というお問い合わせもお受けしています。メールで結構ですのでお気軽にどうぞ。ご相談無料です。※教育現場に関するご質問は基本的には無料でお受けしています。お気軽にどうぞ。